伊根の舟屋

舟屋風景は、佐渡能登・若狭・山陰・伊豆地方にも散見するようですが、
丹後半島の北東部、京都府与謝郡伊根町にある舟屋は延々四キロにも亘って集まっています。
昔は今のような瓦葺きではなく、茅葺きの屋根だったそうです。




舟屋は伊根湾の海面すれすれに建築されています。
1階は船揚場、物置、作業場があり、出漁の準備、漁具の手入れ、魚干物の乾場や農産物の置き場など
幅広く活用されています。また2階は居室、民宿といった生活の場となっています。





伊根の風景を歌ったものに、鴨長明のこんな歌もあります。


“ わかめかる与謝の入浜霞みぬと
       人には告げよ伊根の浦風 ”


前方に見えるのは「青島」です。
伊根湾の入り口の真ん中にこの島があるために外海からの波を遮って伊根の港はいつも穏やかなのです。
天然の防波堤です。



こう見ると、イタリアのベニスとか、シチリア島など、地中海沿岸の風景も浮かんできます。
静かでした。




この風景のなかにいると夢を見ているようで、時間感覚がなくなってしまいそうです。



またこういう古い建物があると目にとまってしまうのです。
ここに至るまでに何があったのかなあって、
いつもそう。




水面を見ると、海の水は驚くほどに透き通っていました。
きれいです。



イタリア北西部や中部のナポリ近辺にもこんな海辺があったように思います。



これが青島です。



ここが舟屋集落の最終地点です。
若狭湾を望んでいます。
ずっと前方はたぶん舞鶴のほうになると思います。



来た道を帰って行きました。
こういう狭い道が延々と続きます。




この建物、ちょっと気になりました。
何の建物なのか、今度来た時にまた確かめます。



最後に伊根湾のなかほどの高台にある道の駅「舟屋の里 伊根」に行ってみました。
そこから見える伊根湾の景色です。
晴れていたらどんなにきれいなんでしょうか。
この日も曇りでした。
三月という月は、比較的晴れの日が続く年もありますが、
今年はほとんど曇っていたような気がします。
どちらかというと曇りのほうが多い月なんでしょうか。


でも、曇りには曇りの日の趣があるものです。



道の駅の駐車場にはこんな大きな船のスクリューがありました。




道の駅には土産物屋と、レストランがあります。







この周辺にもサルがたくさんいました。
ここに来れば、たぶん間違いなく出会えると思います。